映画評「コカイン・ベア」

コカイン・ベア - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画


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映画「コカインベア」見てきました。

 

麻薬をアメリカから密輸しようとした密輸人がしくじって、アメリカの国立公園にコカインをばらまいてしまい、そのコカインをクマが摂取して大暴れする・・・というアニマル&コメディ映画です。

 

宣伝動画とか見るとコカインベアがメインの映画でコカインベアVS人間と思われるかもしれないですが、実際はコカインベアがでてくるシーンは映画全体の半分ないしは1/3くらいかなといった感じ。どちらかというとコカインベアの出現にパニックをおこした人間たちの荒れ狂うさまを描いた作品になっています。

 

最初の方は〈娘とその友人である男の子と彼らを探す母親〉〈コカインを回収しようとする密輸関係者〉〈おばさん公園管理人〉などの群像劇になっていますが、結局コカインベアが圧倒的な腕力で一つの軸に収斂させていきます。

 

パニックのなかで吹き出してしまうようなギャグシーン、スリルや残酷な描写を盛り込んだシーン、家族愛や勇気を描いたシーンありと「ドラッグ×クマ」というアイデア一本だけで押していくB級映画ともいいきれない出来に仕上がっています。

 

とくに自分は密輸関係者の2人組の掛け合いが最高に面白くて、映画見ているあいだにも吹き出してしまいそうになりました。たしかに悪い奴なのですが、どこか人間的なところがあり、完全に悪者になり切れない感じが気に入りました。

 

あとは男の子の謎の適応能力の高さもいい味を出していました(じつは作中でコカインベアと名付けたのは彼)。一度はコカインベアに襲われたのにも関わらず妙に冷静で、状況を描写しているさまが笑えてしまいます。

 

ラストのコカインベアと人間たちの描き方もかなりしっかりしているので、最後までだれることなく興味を持続させながら見ることができました。

 

というわけでコカインベア評でした。上映館数はそんなに多くないですが、映画館のスクリーンで見る価値はある、最高にキマってる作品になっているのでおすすめです。